English version: http://mksben.l0.cm/2016/07/xxn-caret.html
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以前、CODE BLUEでXSSフィルターを利用したXSSの問題について発表しましたが、同様の問題が6月のパッチでCVE-2016-3212として修正されました。この記事では詳細を紹介します。
以前公開した資料にも書いたように、以前までは、XSSフィルターの遮断規則を攻撃とは無関係の文脈に適用させ、-------------------------------------------------------
以前、CODE BLUEでXSSフィルターを利用したXSSの問題について発表しましたが、同様の問題が6月のパッチでCVE-2016-3212として修正されました。この記事では詳細を紹介します。
.
を#
に置換させることで、<script>
のsrc
値や<link>
のhref
値を変更することによる攻撃が可能でした。
2015年12月、Microsoftはこの問題に対応するために、この遮断規則のみ、
以下にそのページのおおよそのコピーがあります。
どこかの
http://vulnerabledoma.in/xxn/xss_javadoc.html
答えは以下の黄色の部分にあるドットです。
例えば、XSSが可能な以下のようなURLはロードが禁止されます。
http://vulnerabledoma.in/xxn/xss_javadoc.html?javascript:alert(1)
しかしながら、黄色の部分の
実際に動かしてみてみましょう。以下のような文字列を与えれば、無理やりページの中身を遮断規則にマッチさせ、
2016年6月のパッチをあてる前のIE/Edgeを使って以下のURLを確認してみてください。
http://vulnerabledoma.in/xxn/xss_javadoc.html?javascript:alert(1)//"++++++++++++.i+++=
既にパッチを適用して再現できない人のために、該当部分を
http://vulnerabledoma.in/xxn/xss_javadoc2.html?javascript:alert(document.domain)
もちろん、XSSが可能だったのはGoogleに限ったことではなく、同バージョンの吐くJavadocのHTMLを
2016年6月の修正後は、例え明示的にヘッダで指示されていなくても、
また、直近のパッチ(2016年7月)で、その他、CODE BLUEの発表以前に指摘したすべての問題についても改善が行われたようです。この辺りの問題については記事を改めて近いうちに書きます。
#
の代わりに^
に置換するよう動作を変更しました。これにより確かに、上で示したような攻撃は防げるようになりました。ところが新たな問題を生んでしまいました。この動作変更から数か月後に、実際のアプリケーションで攻撃できることを確認することになります。$3133.7という特徴的な金額からもわかるように、これはGoogleの脆弱性報奨金制度を通して得た報酬です。Googleはほとんどのサービスでレスポンスヘッダにあの全米を失笑させた、IEのXSSフィルターが文字列リテラルでのXSS遮断の文脈で.を#から^の置換に変えた修正のおかげで、逆に新たなXSSが発生し$3133.7を得ることができました。本当にありがとうございます。— Masato Kinugawa (@kinugawamasato) 2016年2月17日
X-XSS-Protection: 1;mode=block
を指定していましたが、一部つけていないページがありました。これに気付いたからには、XSSフィルターを利用しない手はありません!XSSフィルターによってページの一部分を変更させることでXSSが起き得る箇所がないか、じっくりみてみました。その結果、*.google.com のドメインに設置されたJavadocが吐くHTMLの1か所を変更したとき、XSSが起きることを発見しました!以下にそのページのおおよそのコピーがあります。
どこかの
.
が^
に置換されたとき、XSSが生まれるのがわかるでしょうか?http://vulnerabledoma.in/xxn/xss_javadoc.html
答えは以下の黄色の部分にあるドットです。
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Frameset//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/frameset.dtd">スクリプトタグで長々とやっていることは、
<!-- NewPage -->
<html lang="en">
<head>
<title>javadoc</title>
<script type="text/javascript">
targetPage = "" + window.location.search;
if (targetPage != "" && targetPage != "undefined")
targetPage = targetPage.substring(1);
if (targetPage.indexOf(":") != -1 || (targetPage != "" && !validURL(targetPage)))
targetPage = "undefined";
function validURL(url) {
try {
url = decodeURIComponent(url);
}
catch (error) {
return false;
}
var pos = url.indexOf(".html");
if (pos == -1 || pos != url.length - 5)
return false;
var allowNumber = false;
var allowSep = false;
var seenDot = false;
for (var i = 0; i < url.length - 5; i++) {
var ch = url.charAt(i);
if ('a' <= ch && ch <= 'z' ||
'A' <= ch && ch <= 'Z' ||
ch == '$' ||
ch == '_' ||
ch.charCodeAt(0) > 127) {
allowNumber = true;
allowSep = true;
} else if ('0' <= ch && ch <= '9'
|| ch == '-') {
if (!allowNumber)
return false;
} else if (ch == '/' || ch == '.') {
if (!allowSep)
return false;
allowNumber = false;
allowSep = false;
if (ch == '.')
seenDot = true;
if (ch == '/' && seenDot)
return false;
} else {
return false;
}
}
return true;
}
function loadFrames() {
if (targetPage != "" && targetPage != "undefined")
top.classFrame.location = top.targetPage;
}
</script>
</head>
<frameset cols="20%,80%" title="Documentation frame" onload="top.loadFrames()">
<frameset rows="30%,70%" title="Left frames" onload="top.loadFrames()">
<frame src="/" name="packageListFrame" title="All Packages">
<frame src="/" name="packageFrame" title="All classes and interfaces (except non-static nested types)">
</frameset>
<frame src="/" name="classFrame" title="Package, class and interface descriptions" scrolling="yes">
<noframes>
<noscript>
<div>JavaScript is disabled on your browser.</div>
</noscript>
<h2>Frame Alert</h2>
<p>This document is designed to be viewed using the frames feature. If you see this message, you are using a non-frame-capable web client. Link to <a href="overview-summary.html">Non-frame version</a>.</p>
</noframes>
</frameset>
</html>
location.search
(URLの?以降)から受けとった文字列が、フレームにロードしても安全なURLかどうかの検証です。例えば、XSSが可能な以下のようなURLはロードが禁止されます。
http://vulnerabledoma.in/xxn/xss_javadoc.html?javascript:alert(1)
しかしながら、黄色の部分の
.
が^
に置き換わるとどうなるでしょう?実際に動かしてみてみましょう。以下のような文字列を与えれば、無理やりページの中身を遮断規則にマッチさせ、
.
を置換することができます。2016年6月のパッチをあてる前のIE/Edgeを使って以下のURLを確認してみてください。
http://vulnerabledoma.in/xxn/xss_javadoc.html?javascript:alert(1)//"++++++++++++.i+++=
targetPage.indexOf()
の部分の.
が^
に置換され、安全なURLかどうかの検証部分のコードが実行途中でエラーとなることで、URLに与えたjavascript:
のURLが実行されたはずです。既にパッチを適用して再現できない人のために、該当部分を
^
に置換済みのページを用意しました。同様の動作を確認できます。http://vulnerabledoma.in/xxn/xss_javadoc2.html?javascript:alert(document.domain)
#
への置換との決定的な違いは、#
はスクリプト内で演算子ではないため、タグ内の.
が#
に置換されても構文が壊れるだけだったのに対し、^
はビットごとのXOR演算子であり、例えば、a.b;
がa^b;
になったとしても構文は正しいので、少なくともそこまでは実行されるという点です。このせいで、targetPage
変数に未検証の危険な値が入ったまま例外を出し、別の関数でこの変数を利用した結果、XSSが起きたという訳です。もちろん、XSSが可能だったのはGoogleに限ったことではなく、同バージョンの吐くJavadocのHTMLを
X-XSS-Protection
の指定なしに設置しているサイトすべてでXSSが可能でした。2016年6月の修正後は、例え明示的にヘッダで指示されていなくても、
.
への反応時には1; mode=block
の動作が強制されるようになりました。これでひとまずは.
を置換することによるXSSは起きなくなりました。^
に置換することで回避しようとしたときは唖然としましたが、ひとまずこれで落ち着きました。また、直近のパッチ(2016年7月)で、その他、CODE BLUEの発表以前に指摘したすべての問題についても改善が行われたようです。この辺りの問題については記事を改めて近いうちに書きます。
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